ブログ「時田・幻椏・芳文の「我貌徒然」」の記事

時田・幻椏・芳文の「我貌徒然」
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時田工務店時田芳文社長/ブログ   ・・・【このブログの記事一覧を見る】

シンポジューム 「ゼロ・エミッション建築の最前線」

 昨日、文化の日に日本建築学会埼玉支所主催の、シンポジューム 「ゼロ・エミッション建築の最前線」 が県立浦和高校で開催された。ゼロ・エミッションとは、ゼロは文字通り無い事を意味し、エミッションとは熱・光などの放射、放出、また放出されるもの、つまり廃棄を言うから、廃棄をゼロにすることにより問題解決をして行こうとする考え方である。ゼロ・エミッション建築と言うと、CO2の発生を軽減する為にエネルギー負荷を出来るだけ小さくして行こうと言う建築の在り方を希求する事を言い、地球温暖化問題、3・11以降の原発事故による電力・エネルギー問題を抱え、今日の時代状況を考えると極めてタイムリーな企画であった。  
 当埼玉支所の各メンバーと、このプログラムの責任者である白江龍三氏の尽力により、盛大に開催する事が出来た。シンポジュームの内容も極めて意義深く、講演頂いた各氏から濃密なプレゼンテーションが行われた。
 「ゼロエミッション建築の最前」 とはいえ、実のところ文化の日と言う日柄と、午前10時から午後5時30分と言う長丁場のシンポジュウムに、どれ程多くの方々が御参加下さるか、いささか不安を持って当日を迎えたが、全て杞憂と成った。御参加下さった全ての皆様に、心からの感謝を申し上げたい。

 以下、白江氏のパブリック・リリースである。

「 先進各国は、人為的に発生する温室効果ガスによる気温上昇が、産業化以前に比べて2℃を超えないようにすべきであるとの認識から、2050年までに1990年頃に比べて80%以上の温室効果ガス削減を目指しています。我が国の環境省も「温室効果ガス削減目標を実現するための中長期ロードマップ」を策定中であり、この最新の報告では、2015年より温室効果ガス排出をネットでゼロにするゼロエミッション住宅の普及を開始し、2030年以後は全ての新築建築及び新築住宅をゼロエミッション化することになっています。そして2050年には建築、住宅ともストックを含めて全てゼロエミッション化することとしています。
 ゼロエミッション住宅の普及開始まであと4年と迫っており、社会全体が普及に向けて準備を始めるべき時期です。また、2050年にストックを含めて全てゼロエミッション化すると言うことは、100年以上の建築寿命を目指す我が国では、今日作る建築は全て改装によりゼロエミッション化できる骨格を持たなくてはいけません。従って、今日の建築活動は全てゼロエミッションを前提に行われるべきなのです。しかし一般の人にとってゼロエミッション建築は夢の世界のことのように思えますし、建築業界関係者の間ですら状況が認識されていません。
 一方ヨーロッパの国々では、既にゼロ空調建築が可能なレベルの住宅の断熱性能を義務化している国もあり、今後数年の内にヨーロッパ全体が同様の傾向を強めるものと予想されます。先行事例では、建築で消費するエネルギーよりも生みだすエネルギーが多いプラスエナジー住宅や、それらを組み合わせた街区も実用に付されており、ゼロエミッションは夢ではありません。
 また、ゼロエミッション建築は、とても快適な住環境が実現でき、健康促進の点でも有効である事が分かっています。昨今のエネルギー事情を考慮すると、遠からずコスト的にも優位であることが明確になると予想されますし、ドイツやスイスでは、建築の省エネ化などの対策が、経済政策的にも効果的であることが明らかになりつつあります。
 このような状況の中で、日本においても様々なグループが建築の高度な省エネ化やゼロエミッションを目指して活動し、問題を乗り越えながら成果を上げつつあります。技術や人材、企業の意欲、建設業界の潜在的な実力などの点からすれば、日本は建築のゼロエミッション実現に最も近い国の一つです。しかし、社会的な気運の盛り上がりに欠け、実施に向けた制度整備の不在など、本格的な取り組みに向けて障害があります。また、先進事例に取り組むグループ間でも、ゼロエミッションの概念や目標が共有されている訳ではありません。
 本シンポジウムでは、中小工務店、工業化住宅、一般建築の各分野で先行して課題に取り組む方々に現状報告をしていただき、会場を含めた議論を通して目標を共有すると共に、共通する課題解決に向けた行動の契機にしたいと思います。また、一般の方々に対しては、ゼロエミッションが避けて通れないものであると同時に、既に手が届く存在であること、ゼロエミッションを実現するための技術は、環境への負荷を低減し維持費を節約できるだけでなく、快適性が高く健康的な生活環境を実現できる技術でもある事を知っていただく機会にしたいと考えています。 」

 私自身の思いを言えば、高気密高断熱と言う志向に対して馴染めないものを感じている。日本の住宅の在り様として、自然と断絶する事が正しい方法なのかと思うからである。昨日、オーストリア人のマテ―・ペーター氏と面談する機会を頂いた。彼は、「ピュアウッドの家」 と言う無垢材を積層化させたパネルを使って・耐火性能、断熱性能、高周波遮蔽性能、省エネ、快適性、自然度を追求した家づくりを推進している方である。「低気密・高断熱」 と言う彼の言葉にアイデンティティーを感じた。技術の先行する観のあるゼロエミッション建築の中で、異彩を放っていたからである。

















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