ブログ「時田・幻椏・芳文の「我貌徒然」」の記事
遺墨展 書貌と風貌 「野口白汀の字」

昨日、建築家・白江龍三氏とお会いし、新年の挨拶、仕事の打ち合わせの後上野の森美術館で開催されている 書貌と風貌 「野口白汀の字」 遺墨展を共に拝見した。
野口先生が急逝を成されて4年半、生前、事の他御厚誼を頂いていた。1998年7月29日~8月2日には、第6回幻椏祭のメイン・イヴェントとして 「書と居 2人展」 を新築して間の無い我が家に先生の書を展示すると言う企画展を開催させて頂いた。書き溜められた数百の書の中から展示作品を選択、展示形式などキュレーター機能一切を私が担当させて頂くと言う、信じられない程の緊張と高揚を頂いたのである。我が家族が生活をする居住空間を使っての展覧会であるから、時間の制限、展示場所の制限などを行いながらも、大勢の方々の御来場を頂き大層盛況であった。毎日新聞でも大きく取り上げられ、企画展としての高い評価も頂いた事を思い出す。
遺墨展の会場は、異様なエネルギーに満ちていた。白江氏も、書の力に打たれ多くの感動を得たと言う。写真に在る「回」 「上」 の剛直な墨の塊の作品は、期せずして最晩年の作品に成ってしまったが、人の心を鷲掴見にして放さない。野口先生は松井如流門下であり、息子さんの野口岱観先生から頂いた如流作品集を改めて拝見をすると、松井如流からのエスタブリッシュメントの意思を強く感じ、1連のこの作品群をもって完全な独立を成しえたと、改めて実感させて頂いた。とは言え、76歳の事故に近い御逝去であり、この先これからどう野口白汀の世界が広がって行ったかを思うと、悔しさも残る。
当夜、多くの関係者を集めて偲ぶ会も開催された。激走して走り抜けた先生の生き様に、改めて大きな触発を頂いたのである。
土生骨偲ぶ風骨空っ風 幻椏